佐川急便について

2016年に退職したヤマトのドライバー2人は、「アマゾンの荷物がなければ辞めてはいなかっただろう」と口を揃えて言っている。ならば、アマゾンと手を切った2番手の佐川急便は安泰かというと、決してそうではない。佐川急便関係のニュースとしては、ドライバーが仕事中に駐車違反の切符を切られたが、自分では出頭せず、家族や知人を身代わりに出頭させたというものがあります。昨年9月、東京営業所に家宅捜索が入りました。全国紙の社会部の記者はこう語っています。

 

 

「駐車違反という微罪で警察の家宅捜索が入るのは極めて異例だとのこと。組織的な犯行の疑いがあるとみて捜査に踏み切った訳だが、佐川急便全体の犯行を立証するまでには至らなかった。結局、今月2日に、犯人隠避教唆容疑などで合計100人強を書類送検して事を終える事となった」しかし、この事件は佐川急便の現場の士気を著しく低下させた。それは配達能力の低下にまでつながっている。佐川の関係者はこう証言している。

 

 

「普通なら、会社のトップが記者会見を開き謝罪するような案件にもかかわらず、佐川急便はあくまで社員が勝手に行ったこととして、社員を突き放した。その結果、会社が守ってくれないということを不安に思った大量のドライバーが、逃げるようにして会社を辞めていった訳なんです」

 

 

佐川急便は2016年12月22日、「弊社従業員の略式起訴処分について」というプレスリリースで、「11月22日に警視庁に逮捕さた従業員が、交通違反に係る犯人隠避教唆の容疑で略式起訴されたことは誠に遺憾であり、関係者の方々にご迷惑とご心配をおかけしましたこと、お詫び申し上げます」と発表するにとどまっています。

 

 

城東営業所、城北営業所、板橋営業所、練馬営業所などでドライバーの離職が続いた。その結果が、2016年の年末の“パンク”となる。佐川の40代現役ドライバーである鈴木徹氏(仮名)は、こう証言している。

 

 

「通常なら、12月末の最後の10日間が、最も忙しくて、それをチームで力を合わせて乗り越えるんですが、去年は、その最後の10日の忙しさが、10月、11月、12月と3か月続いた感じです。つまり人手が足りないのです。

 

 

200人前後のドライバーを抱えているうちの営業所では、年の瀬の繁忙期を前に5人が辞職したんですけれど、営業所が人員を補充しないため、人手不足に陥りました。その分、負担が大きくなる、10月から12月については、10万円程、特別手当でももらわないと、割に合わないという気持ちにすらなりましたね」

 

 

佐川急便は、昨年末、東京や埼玉、愛知、大阪を中心に配送に遅れが出るという、いわゆる“パンク”という事態を起こした。同社は12月22日、ホームページに、「年末の荷物量の増加による集配遅延について」という告知を発表。

 

 

「年末の荷物量の増加に伴い、全国的に集荷・配達の遅延が見込まれます」、「時間により管轄営業所へのお電話もつながりにくい状況となっています」──という内容。この数年、年末や年度末では見慣れた光景となりました。

 

 

ヤマト運輸、佐川急便というトップ2社の現場は、誰が見ても明らかに疲弊しており、そのレベルは増す一方である。この流れを変えるには、大手荷主の大口割引の幅をできるだけ減らし、運賃単価を上げていけるのかどうかにかかっているわけです。

 

 

運賃が上がれば、自社のセールスドライバーや、下請けの長距離トラック企業、仕分けセンターへのアルバイトへの待遇を改善する原資を手にすることもできます。そのためには、利用者である消費者にもそれ相応の負担が求められる場面も出てくると思う。ネット通販への大口割引がなくなれば、送料無料が有料になってしまうかもしれない。

 

 

再配達に料金を受け取るという案も出てきている。それを、宅配便というインフラを守るための必要な出費ととらえることが果たしてできるのかどうか。その点に、宅配業界の今後の行方は大きく左右される見通しとなる。

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